F50は過去10年間に開発された最先端技術が搭載された、新しいコンセプトの革新的なレース艇です。

高さ24mのウィングセールと水中翼を搭載したF50は、第35回アメリカズカップ(2017年開催)のAC50と比較して、ほとんどのレースコンディションで15%のパフォーマンス向上が見込まれます。

F50の予想最高時速は50ノット(時速約100キロ)です。

改良されたダガーボードと心造されたラダーエレベーター、新しい油圧システムと電子機器、6人乗りから5人乗りに変更されたコックピットレイアウト、刷新されたステアリングシステム、そしてジョイスティックで操作するフライトコントロールシステムが、F50を飛躍的に進化させました。またコンテナでの移動がしやすくなるような改良も施されています。

フォイルのレーキやカント、ウィングのツイスト、ジブシートの調整はバッテリーパワーで行い、クルーが3人いれば調整できるようになっています。ウィングシートはグラインダーが作り出すパワーでトリムされています。

ラダーピッチが常に制御されることで、フォイル時の高さが調整されます。

F50 Supercharged

新しいフォイル(ダガーボード)はより高い弾力性のある炭素繊維で作られています。また幾何学を駆使したデータ解析により多くのライティングモーメントが促進され、キャビテーション開始前にボートスピードを上げる修正が行われました。ラダーエレベーターの下部は抗力を減らすため、高強度のステンレス鋼を使っています。

2019年には、幾何学によって導き出された新しい制御システムがウィングセールに取り入れられ、強風と微風でのセーリングパフォーマンスが向上しました。F50は4〜30ノットの風速でも見応えのあるレースが行えるように設計されています。

軽風時には、ダイナミックウィングセール制御システムの性能向上に向けた分析、研究も行われています。

F50データ

  • クラスルールに則ったワンデザイン(同一規格艇)
  • 全長:15m
  • 全幅:8.8m(付属品含む)
  • ウィング高:24m(強風時18m、微風時28mに変更予定)
  • 乗員:5人
  • 乗員体重:最大438kg(平均87.5kg/人)
  • 最高時速:53ノット(時速100キロ)
  • 搭載カメラ:3台
  • 搭載マイク:3台

F50はワンデザインクラスとして開発されました。つまりレース艇はすべてが同型艇ということです。ワンデザインクラスの大きな特徴は、セーラーのスキルによって勝敗が決まるということで、最後までどのチームが勝つか予測できない白熱したレースが展開されます。

ただし、ほとんどのワンデザインクラスとは異なり、F50には開発の余地が残されています。トップデザイナーやエンジニアが常にパフォーマンスを向上させ、F50が最新鋭のレース艇であり続けるために、常にボートを改良し進化させるのです。アイデアとデザインがテストされ、それぞれのレース艇が同じように改良されることで、レース全体のスピードと競争力が向上します。

F50 Blueprint

オンボードカメラやオンボードマイクを通して、レース艇に乗っているような感覚が味わえます。また勝敗を分けポイントも知ることができるでしょう。

全艇で記録されたすべてのデータは各チームのコーチに送信されます。コーチは決められた時間にデータを分析し、クルーに指示を出します。このやりとりはライブ中継されるので、各チームの作戦や戦術を観客も一緒になって分析しながら、レースを楽しむことができるようになるでしょう。

こうしたデータは、ファンが応援するチームを最大2チームまで選択し、同じデータを受け取ることができるようなセカンドスクリーン視聴にも使用されます。これまで行われたきたどのヨットレースよりも、ファンにやさしく、楽しめるものとなるはずです。

またF50を分解すれは通常の40フィートコンテナで輸送することでき、世界各地を容易に転戦することが可能となったことも重要です。大会会場に到着してから48時間以内にボートを組み立て、レースすることができます。