優勝した日本チーム Beau Outteridge@SailGP

ニューヨーク(アメリカ – SailGP(セールジーピー)第3戦ニューヨーク大会が6月21日、22日に開催され、日本チームはフリートレース1位で決勝のマッチレースに進出。不規則な風と潮の流れで非常に難しいコンディションの中、強敵オーストラリアチームを下し開幕シーズンで初めての優勝を飾りました。

今日最初のフリートレース(第4レース)、日本は境界線を越えてしまうペナルティーや、風のない場所に捕まって後続艇に追いつかれる場面などもありましたが、風のあるコースを着実に選択してリードを広げトップフィニッシュ。フリートレースをもう1レース残した時点で、マッチレース進出を決めました。

続く第5レース、日本はスタートダッシュを決め先行しますが、地元のアメリカが良い風をつかみ逆転に成功します。レース中盤まではアメリカ、日本、オーストラリアが接戦を繰り広げますが、地元の大声援を力にアメリカが抜け出し、初めてのトップフィニッシュを決めました。日本はこのレース2位でした。

決勝のマッチレースに進んだのは、またしても日本とオーストラリアの2チームです。過去2大会とも日本はマッチレースでオーストラリアに敗れており、今大会こそはとチーム一丸がとなって準備をしてきました。

2チームの争いはスタートのポジション争いから始まります。オーストラリアが航路兼のある風下側から日本を責め立てますが、日本がうまくかわし、逆にオーストラリアがペナルティーを取られてしまいます。オーストラリアがペナルティー解消のためにスピードを落としている間に日本は逆転しますが、第1マークに到達する前に風がなくなり日本は失速。一方、オーストラリアは風をつかんで逆転に成功します。

マッチレースは通常、先行したほうが有利なのですが、ニューヨークは風向や風速が不安定なので最後までどうなるかわかりません。オーストラリアとの差は一時125mまで開きましたが、日本は丁寧に風のあるコースを選択し、逆転に成功。最後まで気の抜けないレース展開となりましたが、落ち着いてレース艇を走らせた日本がオーストラリアを振り切り、シーズン初優勝を成し遂げました。

ニューヨーク大会優勝の日本は総合成績でもオーストラリアを1ポイント上回り、首位に立ちました。SailGP第4戦は8月10〜11日にイギリスのカウズで開催されます。

(チームメンバーのコメント)

「第2戦のサンフランシスコ大会では本当に悔しい思いをしたので、ニューヨーク大会で勝つことができ最高に嬉しいです。実は最後まですごく緊張していました。お互いに口には出さないけれど、一緒にグラインダーを担当していたレオも緊張していたと思います。最後にフィニッシュラインを切った時は本当に嬉しかったです」(笠谷 勇希/グラインダー・マッチレース出場)
「マッチレースのスタート前はさすがにドキドキしました。過去2回、いずれもマッチレースで負けていますから。でも最後までがんばればきっと勝てると思い、がんばってグラインドしました。優勝できて最高です」(高橋 レオ/グラインダー・マッチレース出場)
「今日は昨日よりは少し風が弱かったですが、それでも難しいコンディションだったことに変わりはありません。でもどんな場面でも焦ることなく、レースを楽しむことができたのが勝利に繋がりました。ニューヨーク大会での優勝はチームにとって非常に意味のあることです。開幕戦のシドニー大会は明らかにオーストラリアチームとの差がありました。続くサンフランシスコ大会ではその差を詰めましたが結果がついてきませんでした。でもここで優勝でき、自分たちのチームがやってきたことは間違っていないと確信できましたよ」(ネイサン・アウタリッジ/ヘルムスマン)
「本当に嬉しいです。1位を取るというのが我々チームの一つの目標でしたので、チーム一丸となった戦った結果が成績に現れたのかなと思います。ニューヨークはいつもそうですが、非常に難しいレースコースです。その中でセーラーは辛抱強く最後まで戦ってくれ、チームの強さ証明することができたと思います。今回、優勝することができましたが、今シーズンはまだ2戦ありますから、怠らずにチームとして実力を上げながら次の大会にのぞんでいきたいと思います」(早福 和彦/最高執行責任者)

優勝した日本チーム Beau Outteridge@SailGP