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トム・スリングスビー率いるオーストラリアがSailGPカウズ大会を堂々、制す 米国チームのボート横転、英国は棄権という困難な条件下での戦い

2019年8月11日、英国カウズにて
SailGPのヨーロッパデビュー戦は極端なコンディションの中での開催となりましたが、オーストラリアのトム・スリングスビー率いるチームが、第1シーズンにおける圧倒的な強豪であることを再び証明しました。オーストラリアチームは、全レースにおいて優勢なレースを展開し、フィールドを支配しました。そしてレース本戦で50ノットのスピードの壁を破る快挙を成し遂げました。一方、ローム・カービー率いる米国チームはドラマチックなボート横転のアクシデントに見舞われました。また、ディラン・フレッチャー率いる英国チームは激しいノーズダイビングを行い、ボートの破損でレースを棄権する結果となりました。

カウズでの大会が1日のみとなってしまったため、賞金獲得のための総合ポイント獲得の重要性はこれまで以上にないものとなりました。SailGPの優勝トロフィーと賞金100万ドルが授与されるマルセイユでの決勝の前に、各チームがポイントを稼ぐ最後のチャンスとなったからです。

ワイト島エジプトポイントにあるSailGPレース・ビレッジで満員の観衆を前に、オーストラリアチームは、第1レースのフィニッシュラインを切る際に、50.0ノットを記録、セーリングレースにおける最速の記録を樹立しました。これは、ボートが50ノットの速度障壁を破るセーリングレース史上初の出来事でもあります。

週の初めに、オーストラリアチームは練習中にウイングセールが破損してしまい、レースができるかどうか危惧される状況にありました。しかし、日曜日の朝はすべての破損が修復され、晴れて出場が叶うことに。ボートの破損の影響でボートでの練習時間が数時間と限られてしまったオーストラリアチームは、スリングスビーとのトレーニングと引き換えにフランスチームからボートを貸し出してもらい練習に励みました。

「今日のスタート時点では、他のチームが費やしたセーリング練習時間の多さに比べて、我々は数時間という非常に限られた時間しかセーリングできていませんでした。心配していたことに間違いはありません」と、スリングスビーはコメント。「困難な状況でした。傍目には楽勝に見えたかもしれませんが、決してそうではありませんでした。全力を尽くし、自分たちのレースに集中しました。他のチームがトラブルに見舞われたと聞きましたが、それは決して他人事ではありませんでした」

米国チームは、第1レースの開始から30秒以内に横転しましたが、SailGPの技術チームの迅速なサポートを受けて驚異的に復活、残りのレースを戦うことができました。厳しかった1日にもかかわらず、カービー率いる米国チームは結果としてはリーグ順位3位まで順位を上げることができました。

英国チームは幸運に恵まれませんでした。第1レースの後半、英国艇の船首が水面に突き刺さり、その衝撃でウイングトリマーのクリス・ドレイパーがスチュアート・ビッチェルの上に転倒する事態となってしまいました。幸いにも怪我人は出ませんでしたが、ボートの損傷が激しく、残りのレースは棄権となってしまいました。練習で50ノットの壁を破り、週の初めに行われた2回の練習レースでは2勝、ホームイベントでの大きな期待を背負っていただけに、英国チームにとっては非常に残念な結果となりました。

「レース開始前に我々はそこに座り、大勢の観衆が大挙して観戦エリアに入ってくるのを目にしました。その熱心な応援に本当に心が熱くなり、レースすることを楽しみにしていました」と、フレッチャーはコメント。「そして、バランスを失い船首を沈めてしまったのです。そこですべてゲームオーバーです。私たち自身だけでなく、私たちを応援してくれたファンのことを思うととても残念な気持ちです。」

オーストラリアチームと協力したことは、ビリー・ベッソン率いるフランスチームにとっても喜ばしい結果をもたらすこととなりました。最終レースでは日本と米国チームを制し、2位に入りました。

「道義に叶うことをし、カウズでの1週間の成果は本当に素晴らしかったです。我々は素晴らしい仕事をしました」と述べるベッソン。「マルセイユでの決勝に向けてさらなる高みを目指します。」

中国チームのフィル・ロバートソンも、カウズの舞台で最高のフィニッシュを決めました。2位と3位のフィニッシュを果たし、ニューヨーク以来、着実に安定性とスピードを増してきています。

「ワイルド...そして、とてもクレイジーな日でした」と、フィル・ロバートソンはコメント。「チームは結果にとても満足しています。全体的には良い形で1日を終えました。そして、ここで学んだ大きなことは、ボートをもう少し良く扱う方法と、今日のようなコンディションでボートを安全に保つ方法でした。」

ネイサン・アウタリッジ率いる日本チームは、カウズ大会開始時点ではオーストラリアチームを1ポイントの差で上回り、リーグの首位にいました。しかし、レース中にトラブルに見舞われ、無事にボートを走らせてフィニッシュするのに精一杯でした。第1レースでフォイリング状態からからクラッシュダウン、グラインダーのポストが破損してしまい、パフォーマンスが大幅に低下してしまいました。マルセイユの決勝で日本チームはオーストラリアチームと並ぶには4ポイントの差を縮める必要があります。

「マルセイユの決勝を見すえ、重要なのはマッチレースへの出場権を手にすることであり、マッチレースに勝つことです」とアウタリッジは述べます。「今日はそれを確保することが我々にとって大きな一歩でした。確かに、オーストラリアチームには勝てませんでしたし、その差を広げることはできませんでした。しかし、全体としては3位の米国チームとポイント差を広げることができました。」

SailGPの第1シーズンの最後の舞台はマルセイユです。各チームの激戦が期待されます。3日間のレース予定で、SailGPの優勝トロフィーと1位だけが獲得できる賞金100万ドルを賭けた戦いになります。

Cowes SailGP Results
SailGPカウズ大会レース結果

1 // オーストラリア // 30ポイント
2 // 日本 // 25ポイント
3 // 中国 // 24ポイント
4 // フランス // 22ポイント
5 // 米国 // 18ポイント
6 // 英国 // 14ポイント

第1シーズン総合順位(4大会を終えて)
1 // オーストラリア // 169 pts
2 // 日本 // 165 ポイント
3 // 米国 // 123 ポイント
4 // 英国 // 120 ポイント
4 //中国// 117 ポイント
5 // フランス // 115 ポイント
各レース結果
第1レース
1 // オーストラリア // 10ポイント
2 // 日本 // 9ポイント
3 // 中国 // 8ポイント
4 // フランス // 7ポイント
5 // 英国// 6ポイント
6 // 米国 // 5ポイント
第2レース
1 // オーストラリア // 10ポイント
2 // 中国// 9ポイント
3 // 日本 // 8ポイント
4 // 米国// 7ポイント
5 // フランス // 6ポイント
6 // 英国 // 4ポイント

第3レース
1 // オーストラリア// 10ポイント
2 // フランス // 9ポイント
3 // 日本 // 8ポイント
4 // 中国 // 7ポイント
5 // 米国 // 6ポイント
6 // 英国 // 4ポイント